遥けき想いは海の底 3

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更新： 2017/05/19 15:14:49

遥けき想いは海の底 3

枯葉を見て、何故か共感を覚えた。自分もこんな風に落ちていくんだと思うと、心にストンと何かが落ちた。

クラスメイトは何故か皆同じ顔をしている。
笑う顔も悲しい顔も自分から見れば全てが嘘に見える。
だけど、あいつは違った。
笑いたい時に笑って、泣きたい時に精一杯泣く。もっとも人間らしいと思った。
だが、自分はどうか。
いつもいつも無表情だ。何も感情を表しても居なかった。
それを思うと、不意にまた、水を欲した。
息が苦しい。胸が痛い。自由に身体を動かしたい。身体を潤したい。手を…手を、太陽に延ばしたい。

あいつの隣は、何故か遠く感じた。

日常が崩れた。

もう、これは。

水に…浸かるしかなかった。授業はもう、今日は良い。
同じ顔をした人達と狭い箱の空間で一緒に居たくないと思ったから。

それが、水底の風景を欲した日。