遥けき想いは海の底2

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最高ランク : 47 , 更新： 2017/05/11 7:13:36

遥けき想いは海の底2

プールの水が、陽射しを浴びてゆらゆらと美しく揺れている。
それを見て目を細めた。
一時間目がプールだったことを思い出し、慌てて着替えた。

プールに入る前に浴びるシャワーが心地良くて息を吐く。
髪を掻き上げ、プールに入る準備体操を始めた。

いちにーさんしー

クラスメイト達が奏でる声が何故か遠くから聴こえる。皆と準備体操をしている筈なのに。
自分の身体が水を欲していることはわかってる。
だから早くプールに入れて欲しかった。

「プールに足からゆっくり入れて入れよー」

体操が終わり、体育の教員が言い終わると同時にプールの水にゆっくりと、静かに足を入れた。
ほぅ…と頭がくらくらなって、酷く心が落ち着いた。
何故こんなに水を欲しているのか？
それは…、それは…。

考えるのは放棄して、プールの水と泳いだ。
身体が軽くなった。
水をいっぱい肺の中に吸い込んて吐いた。
自由になれた気がした。
誰にも制されない、自分だけの領域、

上は太陽。眩しくて眩しくて。あそこに手を延ばしたら、届くだろうか？

一人で考えて、考えるのをやめた。

それが水の中での一ページ部分。